中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
谁说成都没雾霾 / Rochinaer[雲正]
日本はぼちぼち花粉の厳しい季節になってしまいますが、中国は現在もPM2.5などによる大気汚染で大変なことになっています。ありがたいことに中国の大気汚染事情に関する質問をいただいておりますので、今回はそれについてを。
中国では最近「マスクを着用して外に出る人」が珍しくなくなっているそうです。以前の中国ではマスクを着用して外出するというのはあまり一般的では無く、日本では花粉の飛ぶ時期や風邪の流行する時期にマスクを着用して外出する人が少なくないということを不思議に感じる人もかなりいたそうです。
しかし、中国でも最近の大気汚染の悪化に伴い都市や地方によってはマスクの着用率が上がっているのだとか。
先日、中国のソッチ系のサイトを巡回していて「最近の大気汚染やマスク」等に関するやり取りを見かけましたので例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。
■中国人オタクの議論
最近の大気の状態はどうにもならんよね。
ちょっと前まではマスクをして外に出るとか、そんなヘンなこと出来るか!とか考えていたのに。
ふと自分のいる環境が二次元の中とかなんじゃないかと思ってしまったりするくらいだわ。SFは好きなジャンルではあったけど、まさか大気汚染予報を見てマスクをつけるかどうか考える日々が現実に来るとは……
日本人はマスクをつけるのを好む。そう思っていた時が自分にもありました……日本のヘンな習慣だとかネタにしていたのは何時の話だ!?
日本の花粉症は主にスギ花粉によるアレルギーだから因果関係や身体への影響と対策がハッキリしているけど、PM2.5はどうなってるのか、どうなるか分からんのがまたアレだよな。
大気汚染とか、かなりウチの国では軽く考えていたよね。
日本は空気がきれいすぎるから日本人は花粉症になる、その点過酷な環境に慣れている中国人はどこに行っても大丈夫とか。しかし物事には程度ってものがあるわな。
あと花粉症に限らずアレルギーって特定の物質が過剰に身体に入ることが原因だから、そういう環境に置かれちゃった場合、過酷な環境に慣れているとか関係なくなる人間はなるんだよね。私の知り合いに日本で仕事しているのがいるんだが、日本滞在3年目で花粉症を発症して苦労している。
それに日本の花粉症ほどはっきりしていないけど、ウチの国でもアレルギーやら何やらの問題は出ている。
日本のマスクは花粉症の他に喉の保護による風邪の予防を意図したものだっけ?
この話を見た当時は、随分と過敏な対応だと思ったりもしたっけな。
ちょっと前に日本では美容目的でマスクをつける女性が増えているとかいうニュースがあったが、あれウチの国の状況に関して何らかの意図があったんじゃないかと疑ってしまう。
「日常的にマスクつけても大丈夫なんだよ!気にしないで良いんだよ!」って感じで。
以前日本にいたとき周りの日本人がマスクするのを見て、悪くない習慣だと思って自分もマスクを着用するようになったし、帰国する際に日本の使い捨てマスクをまとめ買いして帰って来たんだが、その当時ウチの国ではマスクしていたらヘンな人だと思われたり、伝染病持ちだと思われたりしたんで、当時の私は着用するのを諦めたよ。今は当然違う。
ちょっと前までは、街角でマスクした人間を見たらどんな病気持ってるのかと思ったよね。
しかし今はもう普通にマスクするようになってきちゃったよな。着用しない場合の自分の身体へのダメージがスゴイ分かり易くなってるし。
2年くらい前だと、マスクつける日本人の様子がネタニュースになっていたよな。
今はこっちでも気にしないで普通にマスクをつけられるようになったが。
昔に比べて空気清浄器や不織布で使い易いマスクとかは手に入るようになったけど、それが必要な環境が常態化するのはどうなのかという話になるよな……
やつら、PM2.5の数値を自在にコントロールしやがる!
とかネタにしていたら常に爆発状態で数値のコントロールどころじゃなくなったな。
(訳注:最近中国では計測の数値が振り切る、或いはトンデモナイ数値が出ることを「爆表」と言いますが、これは「ドラゴンボール」のスカウターの爆発が元ネタになっているとされています)
日本でマスクをつける女性が多いのは神秘的な印象になるからで、ある種の萌えポイントなんだよ!と見せかけて実は化粧したくないからだったりするんだぜ!とネタにできた時期が懐かしいわ。
PM2.5がひどくて学校休みになってる所も出ているけど、これいつまで続けるんだよ、常態化したらどうすんだよ、みたいな話だからなぁ。
PM2.5でヤバくなる天気とか見たことない地方の私が通りますよ。
俺のいる南京はヤバいぜ!北京よりもヒドイんじゃないかな!?
春節休みも終わって新学期になったのに、いきなり休校だもんなぁ。
俺の住んでる所もPM2.5の数値ヤバいけど、俺は高三だから学校行ってるよ。この時期はさすがに休めない……!
(訳注:中国の受験は6月に行われるので、今の時期は最後の追い込みの時期でもあります)
しかしこれ、どうするべきなんだろうね。いつまで続くかもわからんし。
早速「PM2.5がヒドイからといって学校を休校にするのはどうなのか?」という議論になったりもしているな。
「国の発展に影響が出る。常態化するならその対策を考えるべきで、例えば空気清浄器を学校に設置するといった対策を行うべき。技術の進歩に伴って空気清浄機のコストも高いものでは無くなっているから、テレビのように学校の教室の標準設備とするべきだ」なんて専門家の発言も出ているが、もうそういうレベルじゃないような気もする。
そもそも空気清浄器って万能なもんじゃないよな。専門家の先生方の考えの方が二次元ネタみたいになってきているんでないかい?
私の住んでいる杭州とか、昔は空気の澄んだ場所だったはずなんだがなー
私の住む福建の方はまだマシな方か。
大都市に住んでいないことが、休みにならないことが幸福だと思う日が来るとは思わなかったぜ。
私の都市の学校はPM2.5がトンデモナイ数値になっても普通に授業やってる。良いのか悪いのか。うーむ……
ウチの学校、数字が危機管理計画の通知の規定ギリギリだったから計測装置の近くでタバコ吸ったり爆竹鳴らしたりして基準値を突破させて休みにしたという説が……よくやってくれた!ギリギリ基準値に足りない時点でもう勘弁してほしいわ!!
上海はなんで学校休みにならないんだよ!?
そりゃ上海の汚染はそんなにヤバくないからでしょ。
数値上は低いけど、上海の現在の視界は25mも無かったりするんだがなぁ……
■大気汚染という日常
とまぁ、こんな感じで。マスクの着用もそうですが、最近の大気汚染のヒドさの影響で日常生活の習慣も変化しているようです。
北京在住の方の話によれば、昨年の一番ヒドイ時に比べればマシになっているそうですが、日常生活に支障をきたすレベルなのは変わらないそうですし、「発表されるPM2.5の濃度を見てその日の外回りの仕事をどうするか考えるといった生活がずっと続いている、というかもう慣れてしまった」といった状態だそうで……私が中国で生活していた頃のイメージや感覚はもう通じなくなっているというのをひしひしと感じてしまいます。
とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。
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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2014年3月5日付記事を、許可を得て転載したものです。