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中国で豪快なニセ札事件相次ぐ、子ども銀行券でバスに乗ろう(水彩画)

2014年05月04日

■こども銀行券が各地で使われる事案が発生■

おもちゃのお札でバスに乗る……というニセ札使用案件が相次いでいるようです。 


通常、偽札は高額紙幣をターゲットとします。中国ならば100元札、50元札が主流で(裏をかいて警戒が少ない20元札、10元札のニセ札を作るケースもあります)、1元札のニセモノというのはまずないでしょう。そこでおもちゃの紙幣を使ってしまおうという豪快な事件が相次いでいるようです。中国でも偽札作りは違法ですし、それでなくても感度が低いのかATMから出てくるわ、両替の時に掴まされるわ、ババ抜きみたいに偽札がやたら出回っているので、13億国民すべてがニセ札鑑定のプロと化しているのですが、さすがに1元札まではチェックがききません。

長春市バスで、10数枚の「中国子供銀行券」使用が発覚(新華社 2014/5/3)

おもちゃの紙幣、こども銀行券。100元札から1元の100分の1である1分まで全種類あります。日本ほど誤用防止に配慮されていないのか、大きさといい、色といい本物そっくり。手を入れると逆に怒られるのか、毛沢東の肖像画もそのまま。

20140504_写真_中国_ニセ札_
※これは見分けられん

本物も大したことのない紙質なので、使用感が出てくると見分けが付かなくなってくるようです。

で、この子ども銀行券が使われているのがバスの支払い。吉林省長春市のバスで大量の偽1元札が見つかっているようです。市バスの運転手によると、毎日バス1台で3枚は見つかるため、1ヶ月で100元(約1700円)。叢さんが担当する156系統は19台のバスが運行しているので、被害額は1年間で2万元(約34万円)に上るそうです。

また紙幣だけではなく、硬貨の代わりにボタン電池を入れたケース。香港ドル、ウォン、日本円などの硬貨を使ったケース。そればかりか円形の鉄片や円形のカギの柄、死者を送る際に斎場や墓場で燃やす冥幣などでお支払いしたケースもあるのだとか。他にもバレるのを防ぐためか、故意に1枚の紙幣を2つに破って2つに折り曲げ投入する人もいるそうです。

運良く指摘できても、「気付かなかったよ」と受け流されて終わり。「バスは偽札と破損紙幣の回収箱となっている」(市バス職員)と嘆き節なのが現状です。

完全な統計はないものの、1年間で被害額100万元を超えると話す市交通公司。モラルに期待できない以上、タッチ式のICカードによる運賃支払いがベストなのですが、今のところは99%の確率で偽札を見分けられる高性能の運賃投入機の導入を進めているところ。

ただし、上海で昨年ようやく全てのバスに設置が完了されたばかりで、長春を含む他の都市での完全導入はまだまだ先になるようです。

また、バス以外に各地の商店などでも見つかっていますし、小中学生が学校周辺で使用しているという報告もありますので、全国規模で結構深刻な問題なのかもしれません。そもそも中国のカネがボロいのが問題な気もしますが。

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*本記事はブログ「中国という隣人」の2014年5月3日付記事を許可を得て転載したものです。


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