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2014年05月09日
Masala Zone Chicken Biryani / Ambernectar 13
■バングラデシュ・ローカル飯屋の注文法
1)店員は「エイジェ!」と呼べばくる
ほかにもバイ(ニイチャン)、ママ(おっちゃん)などバリエーションはあるが年齢を見て呼び方を考える必要があるのでエイジェ(呼びかけの言葉。日本語の「ちょっとすいません」のような言葉)は楽。オーダーを取る店員とは別に掃除だけをやっている若い子がいる。その子をつかまえてもオーダーは受け付けてくれず、なにも進まないので気をつけよう。
2)オーダーの順序は主食→おかず→ドリンク!
首尾よく店員を捕まえたら(首尾良く捕まらない場合はエイジェと叫び続けることになる。)次はなにがあるか聞くところから。「キーアセ?」と聞くとなにやら今日作ってあるメニューを言ってくれる。最初はちんぷんかんぷんでもだんだん慣れてくる。
オーダーの順序は主食から。白飯(シャダバッド)か、混ぜご飯(ビリヤニ、キチュリ)か、パン系(ルティ、ポロタ、ナン)から選ぶ。その後おかず。もちろんカレーしかない。肉か魚が選べる。肉はウシ(ゴルー)かトリ(ムルギー)かヤギ肉(カシー)。魚は種類が沢山ありすぎて覚えるのが大変。その後、コーラなどのソフトドリンクをもし欲しければオーダーする。
3)とりあえず、ビリヤニ!コーク!といえばオーダー終了!
店員は忙しい。忙しすぎてオーダーでもたもたしているとすぐに居なくなる。ベンガル人はせっかちなのでさっさと注文して飯を食ってさっさと出て行く。彼らが飯にかける時間は待ち時間を合わせてもせいぜい15分。回転率は非常に早い。言葉の通じない外人にいちいち手助けなどしてくれない。もたもたしているとなにも食べられずに放って置かれる事になりかねない。というわけで、手っ取り早くオーダーするとしたら、ビリヤニとコーラになる。
ビリヤニはやや小粒の米と一緒に各種のスパイスと肉を炊き込んだ物。本格的なものは牛脂(ギー)が使われている。肉はトリかヤギが使われる。ややギーの油濃さには慣れが必要だ。脂濃さを克服するために、サラダとして付けあわされるキュウリのスライスをかじりながら食べる。
■手づかみでビリヤニを食べるコツ
バングラデシュ料理は右手を使って食べるのが基本である。特に、ビリヤニは手で食べたほうがうまい。手で食べる時に大事なのは親指の動き。親指は飯をつかむときは掌の真ん中にいれておき、口の方に持っていったあと、親指の爪側を使って飯を押し込むのである。
飯と肉を交互に食べていき、出てきた骨や食べる必要のないシナモンなどの香辛料はテーブルの上に置いていく。ローカルの飯屋ではテーブルの上は土足と一緒である。構わず置いていっていい。飯と肉を喰うのにやや飽きてきたらコーラを少し流し込む。こうすると口がさっぱりしてまた食べることができる。
■食後の「チャ!」
食後にはミルクティーが欠かせない。ただし、最近ダッカ市内の飯屋では「ハイソサエティのジェントルマンはネスカフェコーヒーもしくはリプトンティーバッグ」というよくわからないルールが横行していて本物のチャを飲ませてくれない。ここで言う本物のチャとは「飲み続けると茶渋で前歯が茶色くなるほどによく煮出した紅茶にコンデスミルクをいれた物」なのだが、うまいチャを飲ませてくれる店は減りつつある。
チャを飲みながら店員に目配せしてペンで書くジェスチャーをすればお会計してくれる。お会計のメモは食後の香辛料ののったトレイと一緒に運ばれてくる。この香辛料もまた油気の多い料理の後口をさっぱりするために食する。ついでにパンとよばれる噛みタバコが運ばれてくることがあるのだが、これはさらに上級者向け。
会計はテーブルの上で行うのが普通。5%から10%程度、飯を運んできた店員に心付けを渡しておこう。チップを弾んでおくと次からの対応がぐっとよくなる。
なお、ベンガル人はおいしい物を食べさせてくれた人間には忠実である。ビリヤニをローカルのスタッフに普段から食べさせておくと、いざという時にいいことがあるかもしれない。
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