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2014年05月20日
張少将といえば、「逆的中100%の逆神」「昆布で米原潜を捕獲など奇策」などで中国ネットユーザーのおもちゃとされている軍事コメンテーター。今回、新たな伝説が加わってしまった。発言があったのは中国中央電視台(CCTV)軍事チャンネルの番組「防務新観察」。「イランの米空母秒殺術、どんな秘密が?」という特集での発言だ。ネットユーザーが考えた空母打倒の秘策についてコメントしている。
秘策1:人工隕石雨
*ちゃちいCGも見どころ。中国語がわからなくても見ていただきたい。
ロケットを打ち上げ、宇宙から金属球をまき散らす。それが人工隕石雨となって敵空母を破壊!
張召忠:それなりにいけますね。まず隕石だと電磁反応がないんですよ。相手が(ECMで)電磁的に妨害しようとしても、なにせ降ってくるのは石ころだから(妨害は不可能)。去年、ロシアに隕石が落ちましたが、その速度はマッハ20超ですよ。卵ぐらいの大きさのものでもね、マッハ20で落ちてきたら分厚い鉄板も貫通しますよ。
司会者:どうやって正確にあてるかがポイントですよね?
張召忠:それは問題ですね。まあ位置と移動方向を把握しておけば大きな問題はないでしょう。
司会者:なのでこの方法は使えるとお考えなわけですね。
張召忠:それなりに使えます。ただし膨大な計算が必要になりますが。
秘策2:酸性雨
酸性雨を作り、空母を腐蝕する
張召忠:これもまあいけます。ただし腐蝕の速度は遅いですからね。空母は腐蝕しないように作られていますから。
司会者:戦争終わっちゃいますね(笑)
張召忠:10~20年はかかるでしょうね。
■軍事は中国のガンプラ
番組でのやりとりは以上のとおり。実は番組にはもう一人専門家が出演していたのだが、こちらは相手にできないと思ったのか沈黙してばかり。ネットユーザーの考えた、使い物にならない「ボクの考えた奇策」について「いけますね」「できますね」と積極的にひろっていく張少将の優しさが光る。
「軍事は中国のガンプラ」だ。日本の子どもが巨大ロボットや超能力バトルに胸ときめかせている頃、中国の子どもは軍事雑誌を読んでわくわくしていたのだ。もっとも最近では日本アニメや米国の映画が普及してそういう子どもは減っているようだが、今のおっさん世代にとっては間違いなく軍事は娯楽の一つだった。
CCTVに軍事チャンネルがあることからもわかるように、おっさん世代の軍事娯楽需要はいまだにそれなりのもの。そんななか、消費者の期待に応え続ける張少将の軍事芸人魂に改めて恐れ入った次第だ。
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新疆でもよく子供が特警の真似してBB銃で撃ち合いしてます。身近であればあるほどおもちゃになるんでしょうか。