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なんで暗黒とか闇が大好きになっちゃうの?中国人オタク、「中二病」を語る(百元)

2014年06月04日

■中国オタク「中二病ってなんで暗黒とか闇の方のネタになるの?」■

ありがたいことに「中国のオタクな人達の間にも中二病の概念が広まっているようですが、向こうの感覚で疑問やツッコミのようなものは出ないんでしょうか?」と言う質問をいただいておりますので、今回はこれについてを。

中国オタク界隈においては、「中二病」の概念やネタに関してはここ1年程の間に随分と広まりました。ただ、基本的にアニメや漫画、ラノベ、ゲームと言ったコンテンツ経由で伝わったからなのか、中二病のイメージに関してはいわゆる「邪気眼系」のものが強いようで、「サブカル系」「DQN系」と言った方向の中二病に関してはあまり意識されていないようです。
 

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先日、そんな邪気眼系の中二病に関して「なぜ暗黒系や闇系のネタが多いのか」といったことについてのやり取りを見かけましたので、その辺りについてを例によって私のイイカゲンな訳で紹介させていただきます。


■中国人オタクの疑問

邪気眼なんて言葉もあるけど、「中二病」ってなんで黒とか闇の方のネタになるの? 
光のパワーとか、白の方じゃだめなの?


えーと……なんていいうか「カッコイイ」からなんだが……なぜ黒や闇や暗黒が選択されるかとなると言葉に困るな。感覚的なものなんだが。

光系の中二病も存在するけど、闇のパワーの方が主流だよな。

多いのは確かに暗黒系だね。私もアニメや漫画のキャラ、設定を真似したり元ネタに取り込むんならもうちょっと別のネタが増えても良いと思うんだけど。

暗黒系の能力の方が中二的な設定ではクールなものが多いんだよ。禁じられた術とか、封印された力とか、そういうのが多いのは暗黒系。

中二関係だと、闇とかアンダーグランド的なものを求めちゃうんだよな。今だからこっそり告白するが、俺は一時期死の商人になるという妄想をしていたわ。

「黒社会」ネタは定番じゃないかね。あとは吸血鬼とか悪魔とか。


影響受けた作品次第じゃないか?
私はデジモン系の影響が強かったから光のパワーだったし、中の良い友達は「スレイヤーズ」で闇や魔物とかの系統だった。

神聖系よりも暗黒系の方がカッコイイ、クールに思えるって感覚、私も理解できる。うーむ……どう説明すればいいのか。暗黒系、闇系にはこう、伝統や決まり事を覆すと言うか、反逆する所があるとでも言うか……

中二病には「KOF」の草薙京の真似しちゃうヤツとか、闇っぽいの以外もそれなりにいると思うぞ。ただ代表的なのはやはり黒っぽく、闇っぽいのになるかなぁ。ホントどういう風に説明すればいいかな、この辺の感覚。

「KOF」で言うなら、草薙京と八神庵のどっちがより中二病っぽいかを考えれば何となく分かるんじゃないかと。

「邪気眼」って言葉が全てを表しているような気もする。

中二病状態になる時って、だいたい自分の環境に対して反発を感じる「平和すぎる」「平穏すぎる」と感じるような時だからじゃないか?暗黒系とかに流れるのって、ルールや正義の反抗みたいなところもあるし。

その説はありかも。中二病状態になる年代って学校で勉強するだけの日常生活だったりするから、そこへの反発、自分が特別でありたいという意識が出るのかもね。

中二はあれだよ、反逆の表れでもあるんだよ。だから光より闇、神聖よりも暗黒になるんだよ。

面白い話だ。私は最初正義側のキャラ、パラディンみたいなのを妄想していたんだけどその後徐々にニュートラルな立ち位置、侠客的なものに変化して、最後は暗黒系のキャラ、闇に生きるキャラとかの妄想になっていった。自分のことながら不思議な変化だわ。

ある程度の歳になると出てくる「正義の味方」に対する反発とかあるじゃない、そういう感覚と同類のモノなんじゃないかな。そしてそういう感覚って意識しだした時は非常に偏った現れ方になる。

自分は流派東方不敗のノリに突っ走ってしまったんだが、なんか周りの中二病ネタを聞いて、自分が少数派だったのかもしれないと思うようになってきた。

中二病で熱血系に走るのって珍しいかも。

神聖系だとあれか、自分は神の代行者だ、選ばれた存在だ!とかになるのか?でもウチの国だとこれはマズイよな。イロイロと。

何ていうか、光とかそっちの方向だと「世界を救う」とかいう話になってしまうじゃないか。それって中二病的なモノを好んでいてさえ「ちょっと中二過ぎないか?」と感じてしまうネタだと思う。少なくとも私はそうだ。
結論、「光系、神聖系の中二病は難度が高過ぎる」ということでどう?

同じ世界がどうこうなネタでも「堕落した光の世界を打ち壊し、暗黒の支配する新たな世界を作るのだ!フゥーハハハ!」みたいなのは良いんだよな。

あとはそうだな、暗黒系って自分の欲望を肯定できるけど、光とかそういう方向だと様々な制限を自分に課さないといけなくなるからね。楽な方が好ましく思えるって説はどう?

なんかその話は納得できるな。
悪人やるのは楽だけど良い人をやるのは難しいというのと同じで、イロイロと自分を律さないといけない光よりも好き勝手出来る(イメージ)の闇の方が良いと。
それに中二の頃って社会の建前と現実を中途半端に知っていく時期だから、社会のルールや正義みたいなのが胡散くさく思える時期でもある。ある種の反抗期と見ることもできる、その年代特有の感覚なのかな。

とまぁ、こんな感じで。


■海を渡った中二病とその変化

中国オタクに伝わり、広まっている中二病のイメージが日本とちょっと違ったりしていると同時に、なんとなく「分かる」所もあるのがなんとも。

「中二病」のような日本のネタ的な概念が中国のオタク界隈に入り、広まって独自の感覚やジャンルを形成していくのは当ブログ的にかなり興味のある話ですし、引き続き追っかけてみようかと思っております。

とりあえず、こんな所で。例によってツッコミ&情報提供お待ちしております。

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*本記事はブログ「「日中文化交流」と書いてオタ活動と読む」の2014年4月12日付記事を、許可を得て転載したものです。

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