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【小ネタ】中国汚職官僚の愛人になぜ醜女が多いのか?決め手は「汚職内助の功」(高口)

2014年06月18日

2014年6月17日、網易のコラムサイト「今日話題」に「高官の愛人、なぜ“醜女”が少なくないのか」という、ひどいタイトルの記事が掲載されました。タイトルはともかく、中身はなかなか面白い話です。キーワードは「汚職内助の功」であります。

話の発端となったのは、先日報じられた「2014年上半期にとっ捕まった女性汚職官僚12人」という記事。うち2人がより上級の官僚の愛人だったのですが、記事に掲載された顔写真は「色香で愛人となりのし上がった悪女」 とはちょっと毛色が違うのではと話題になりました。

 20140619_写真_中国_悪女_

その理由を解説してくれている記事なのですが、「美人は目立ちすぎるから不倫がばれてやばい」というろくでもない解説もある一方で、もっとも重要なポイントとして「汚職内助の功」をあげています。

かつて日本では「秘書がやりました」が政治家の窮地切り抜けワードだったわけですが、その中国版は「息子or親族がやりました」となるでしょう。汚職官僚が収賄する場合、直接受け取るのではなく、息子や妻、あるいは別の親族を通じて受け取るケースが多いのです。かの薄熙来も収賄の多くは妻の事務所経由で、裁判では「妻がやったことなので知らなかったでござる」と堂々としらを切っていました。

血縁関係、婚姻関係のある信頼できる人物に収賄の受取人をやらせるわけですが、その大役を愛人が担うケースもあるとのこと。これが「汚職内助の功」であります。

典型的なケースは劉志軍前鉄道部長の愛人、丁書苗でしょうか。農村出身のでっぷりした女性なのですが、劉との関係を使って自分が経営する会社で鉄道部のプロジェクトを受注。多額の金を劉にキックバックしていました。また自らが劉と関係があっただけではなく、芸能人など見目麗しい女性を劉のために用意するといったことまでしていました。

コネ社会の中国。血縁、地縁、学閥などなどいろんなくくりでのコネクションがあるわけですが、加えて愛人関係もコネクションの一つと言えるのでしょう。より詳しく知りたい方には福島香織『現代中国悪女列伝』がオススメ。愛人をみせびらかしあうサロンや複数の官僚と関係を結びのし上がっていく女性など、汚職官僚と愛人たちの社交界が垣間見える内容となっています。

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