中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2014年09月19日
*画像は新華社の報道。
中国の全国ポルノ・違法出版物取り締まり弁公室、公安部は2014年9月17日、”マイクロ”分野での取り締まり案14件を発表した。
”マイクロ”ってなんぞ?と不思議に思うところだが、中国版ツイッターこと微博(ウェイボー)、中国版LINEこと微信(Wechat) 、微電影(ネット配信の短編映画)など「微」(マイクロ)がつくジャンルのネットサービスを取り締まったという話。微博、微信だけならば、「中国がSNSでの取り締まりについて実例を発表しました」とかさらりと書けるのに、微電影が入っているために紹介が激しく面倒臭くなるという……。
■不思議!ユーザーがポルノ小説をSNSに書き込むと運営企業に罰金
さて具体的な案件を見ていくと、ポルノ小説をアップしていた、ポルノな動画がダウンロードできるようになっていた、売買春のやりとりをやっていた、アダルトな写真でフォロワーを集めて「中国各都市売買春マップ」を販売していた……といった内容。
ちょっと気になるのは微信や騰訊微博を運営していたテンセント(騰訊)に5万元(約89万円)が科されていたという事例。別に同社がアップしたわけではなく、ユーザーがしただけでも「インターネット出版管理暫定規定」にひっかかってしまうのだという。
一番の笑いどころは中国IT大手・捜狐の摘発事例。同社が運営するブログサービスに、日本の18禁ポルノゲーム「人工少女3」の攻略記事などがアップされていたという。これにて罰金5万元なり。検索すると、捜狐ブログ以外のサイトで同タイトルの記事がまだ残っている。いたるところに転載されたが、槍玉に挙げられたのは捜狐だけだったということのようだ。中身はと言うとちょっとしたゲームの説明とゲーム画像の掲載。攻略というのはタイトルだけで18禁な画像でアクセスを集めようとするものだった。
さて、今回の摘発について。アップしたユーザーが犯罪と認定されるのはともかく、企業まで罰せられるのは不思議でしょうがないが、まあ見せしめ的に軽い罰金を科したということだろう。今夏に発表されたSNSに関する規定では自主検閲が義務化されているが、お上の怒りを買わぬように律儀に規定を守るためには、中国のネット企業は大量の自主検閲用スタッフの雇用が必要となる。中国のネット業界を生き抜くのもなかなか大変そうなのであった。
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人工少女は2が出た当時、中国のネカフェPCにインストールされまくっていましたし、ある意味では中国で最も有名なエロゲかもしれません。
イリュージョンは海外に進出していないはずなのに、とんだとばっちりですよね……