中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2014年11月10日
中国での蒼井そらさん人気がどう拡大していったのか。時系列順にまとめてみます。
・海賊版がもたらした日本AVの普及。ちょっと前まで中国人なら誰でも知っている日本語は「バカヤロ」だったのが「やめて」に。なお他にジャンプ漫画に由来する「なに?!」もよく知られている。
・2010年4月11日、中国ツイッターユーザーの間で「蒼井そらのアカウントがあるぞ!」と話題に。当時、中国は反低俗キャンペーンをやっていたのでその反発という意識があった。
・3日後の14日、青海地震が発生。蒼井そらは公式サイトで壁紙ダウンロード販売を行い義援金を募る。これが中国ネットユーザーに伝わり、「徳芸双馨」(徳と芸を兼ね備えている)と賞賛され、「蒼井そら老師」となる。
・同年11月、ツイッターでの蒼井そら人気に目を付けたSNS新浪微博が蒼井そらを勧誘。微博アカウントを開設。微博の爆発的成長期だったこともあり大変な人気に。ユーザーのリクエストに応えて書道を披露するなどの独自企画も話題に。新浪微博とのコラボ企画で中国語の歌をリリースしたり、ショートムービーに出演したり。
・日本と比べてネットとリアルの壁が低い中国。ネット人気を背景にイベントのゲストに招かれたりと活躍。当初あったあてこすり的な政府批判要素(「政府が反低俗キャンペーンしているからAV女優をフォローしよう」「政府は地震救済もまともにできないのに、日本のAV女優はこんなによくやっている」)は忘れさられていく。
といった流れ。
反低俗キャンペーンと地震救援活動の遅れという政府批判が出発点だったのに、ネットの著名人というポジションに移り変わっていくさまがなかなか面白いところではないでしょうか。その過程では蒼井さんのキャラクターも大きいわけですが。というわけで日本のAV女優、芸能人なら誰でも中国で人気が出るわけではないということで。偶然と努力、両方がうまく合わさった結果です。
なお中国での日本AV人気には弊害があることも書いておきます。おばかな中学生的にAVを信じ込み、「日本女性は押しまくったら言うことを聞いてくれるらしい」「やめてはOKのサイン」との誤解が広がり、セクハラを受けた日本女性も少なくないとのことであります。
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彼女は、中国版ツイッターという自然の野原で自分たちが見つけてゲットしたポケモンのようなもので、逆にそれまでの日本の有名人は、動物園で出会った生き物・・・みたいな感覚なのかな?と(あくまで想像ですよ)