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【雑談】チャイナウォッチャーの3つの切り口とは?閲兵式を題材に(高口)

2015年09月04日

2015年9月3日、中国で抗日戦争勝利70周年記念・世界反ファシズム戦争勝利70周年記念の閲兵式が開催されました。日本のメディアでもかなり大々的に扱われているので、報道を目にした人も多いのではないでしょうか。

それで必ず出てくる問いが、「閲兵式の狙いとは?」というものなのですが、出てくる専門家みなみなが結構違うことを言っていて面白いな~、と。チャイナウォッチャーの論調を知る絶好の試金石かもしれません。

今回の閲兵式に限らず、中国の大きな問題の切り口はだいたい3つに分けられます。第一に「すべては権力闘争だよ派」。今回の閲兵式の狙いでいうと、習近平の権力確立、軍掌握のアピールという結論に。

第二に「維穏圧倒一切(治安はすべてに優先する)派」。統治を強固にし、共産党の支配の強化、「和平演変」(平和的体制転換)の阻止に関する動きを重視する人々。今回の閲兵式の狙いは、「大国・中国の復活」(=中国の夢)のアピールによって、中国共産党の支配の正統性を再構築することと解釈。

第三に「中国の外交恐るべし派」。今回の閲兵式でいうと、武力を見せつけること、戦勝国の一員として国際社会の主流に中国は位置しているとアピールすることが狙いだとの解釈です。

まー、どの切り口が正解と決めつけることは難しいですし、3つの切り口全部言っておけば間違いはないだろという人も結構います。ですが、どこに重点置いているのかを見るだけで、その論者のキャラクターは結構わかりますね。ちなみにわたくし、高口の立ち位置ですが、2番大盛り、3番普通、1番少なめという感じの立ち位置だと自己分析しています。

以上、チャイナウォッチャー・ウォッチャー講座でした。

*本サイト管理人・高口康太の著書『なぜ、習近平は激怒したのか 人気漫画家が亡命した理由』が9月2日に発売されます。また2015年9月6日に新刊発表記念のトークショー、食事会を開催いたします。著者の高口康太、イラストの辣椒が出席いたします。ぜひ遊びにいらしてください。申し込み詳細はこちら

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