中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2016年01月05日
2011年に発売されたEX-TR100を試用したモデルが自撮りに最適だと絶賛。日本ではほとんどヒットしなかったのに中国でバカ売れし、日本の価格の数倍で取引されるまでとなった。翌年発売のEX-TR150は予約殺到で発売日前に販売終了するというとんでもない騒ぎとなった。
プリクラ的美顔修正機能搭載のスマホ・アプリが普及したことで需要は去ったのかと思いきや、まだまだ人気健在の様子。昨年発売されたEX-TR600は7000元(約12万8000円)近い価格で販売されている。自撮りに特化したコンデジにこれだけの値段が付くのが驚きだ。
■切符略奪神器
続いては「搶票神器」(切符略奪神器)。「春運」、すなわち旧正月の大移動を前にいかにして切符を購入するか争奪戦が繰り広げられるわけだが、その戦いをサポートしてくれるソフトウェアである。大量のアクセスによってつながらなくなった切符販売サイトに、高速で大量のアクセスをかけ、順番をゲットするという作りになっている。
もっともこのソフトによって販売サイトは猛烈な負荷にさらされるほか、ネットに詳しくない人は切符を買いづらくなる、ダフ屋の皆さんに欠かせないツールになるという弊害も出ている。
鉄道会社も対策に必死で、ソフトでは絶対にクリアできない画像認証を搭載したのだが、これがあまりにも不評。ブログ「中国という隣人」が紹介しているが、十数枚の画像が表示され、その中の昆虫と恐竜をすべて選べといったハードルの高いクイズが出題されることもあるという。
■領収書暗記神器手形裏書神器
「票拠背書神器」(領収書暗記神器手形裏書神器)と言われてもどんなものなのかさっぱりイメージできないが、「自分でハンコが作れますよ。社名のハンコを作ると領収書で間違えませんよ」というだけのアイテム。いくらでもありそうな製品だが、すごいのは2000個の活字がセットになっていて、かつての活版工の如く一つずつ活字を拾って組み合わせるというレトロな仕組みになっているという点だ。その手間や4万円前後というお値段(活字2000個がセット!)を考えると、素直にハンコ屋さんに頼みたいところ。誰が購入しているのか気になる。
■部屋揺らし神器
最後に紹介するのが「震楼神器」(部屋揺らし神器)だ。
天井にビス留めしてスイッチを入れると、猛烈に震動して上の階を揺らす製品。上階の住人の騒音に悩まされている人が反撃可能になるという一品だ。動画を見るとなかなかの威力である。
3500~5000円程度とそれなりのお値段がするのだが、騒音に悩まされている人にとっては安いもの、なのだろうか。中国の都市部ではマンション暮らしが主流となっている。ご近所づきあいも薄れるなか、クレームよりも実力行使で、という発想なのかもしれない。
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手型の裏書や小切手の記載はミスが許されないので手書きではなく活字化してしまえということのようです。念のため。