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「日本コンテンツ@中国」、日本マンガ学会著作権分会でお話してきました(高口)

2016年02月24日

2016年2月23日、日本マンガ学会著作権分会で講師を務めさせていただきました。中国人亡命漫画家の辣椒(ラージャオ)も一緒です。

「中国のマンガ・アニメ事情」というお題をいただきましたので、「中国における日本コンテンツの存在感」について話しました。「中国人はみんな日本アニメにどっぷりや!中国政府の規制でテレビからは追い出されたけど海賊版があったからみんな日本アニメを見まくっていたんや!」という、よくある誤解の批判を念頭にしたお話でして。テレビで流通した時代には誰もが知っている国民的コンテンツがごろごろ存在していたのに、海賊版DVDの時代になると流通タイトル数は増えたにもかかわらず、オタク的人気はあってもマスの人気はからっきしになったこと、ネット配信でちょっぴり巻き返したけどもまた規制されるかもね云々といった内容です。

他にもマンガの位置づけや中国国産アニメ・マンガについてもお話しさせて頂きまして、最後に拙著『なぜ、習近平は激怒したのか 人気漫画家が亡命した理由』に関連して、習近平時代のアニメ・マンガを使ったプロパガンダの話をしようと思ったところで時間切れに。時間読みが不十分で失礼いたしました。

さて、せっかくですのでここで講演で取り上げた小ネタを一つ紹介したいと思います。それは今年の中国版紅白、「春節聯誼晩会」(通称「春晩」)で歌われた「発光時代」(輝く時代)という歌です。



今の時代を頑張って生き抜こうという若者向けのメッセージソングなんですが、その歌詞には次の一節があります。

「輝く時代を走り抜けよう 熱血たぎらせ 小宇宙(コスモ)を燃やして」
(*上記動画の2分50秒ごろから)

唐突に聖闘士星矢用語の「小宇宙(コスモ)」という単語が放り込まれているんですね。中国の30代ぐらいには聖闘士星矢は一般教養となっていて一切の説明が不要ということです。この歌詞が「春晩」に出るなんて胸熱と思ったのですが、本番ではカットされていました。日本アニメ用語が出るのはNGだったのでしょうか。いやはや残念至極。

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