中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2016年02月24日
他にもマンガの位置づけや中国国産アニメ・マンガについてもお話しさせて頂きまして、最後に拙著『なぜ、習近平は激怒したのか 人気漫画家が亡命した理由』に関連して、習近平時代のアニメ・マンガを使ったプロパガンダの話をしようと思ったところで時間切れに。時間読みが不十分で失礼いたしました。
さて、せっかくですのでここで講演で取り上げた小ネタを一つ紹介したいと思います。それは今年の中国版紅白、「春節聯誼晩会」(通称「春晩」)で歌われた「発光時代」(輝く時代)という歌です。
今の時代を頑張って生き抜こうという若者向けのメッセージソングなんですが、その歌詞には次の一節があります。
「輝く時代を走り抜けよう 熱血たぎらせ 小宇宙(コスモ)を燃やして」
(*上記動画の2分50秒ごろから)
唐突に聖闘士星矢用語の「小宇宙(コスモ)」という単語が放り込まれているんですね。中国の30代ぐらいには聖闘士星矢は一般教養となっていて一切の説明が不要ということです。この歌詞が「春晩」に出るなんて胸熱と思ったのですが、本番ではカットされていました。日本アニメ用語が出るのはNGだったのでしょうか。いやはや残念至極。
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