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記事:凜 の記事

結婚できない女「剰女」の特徴=中国の恋愛系ネタ記事を読む―政治学で読む中国

2011年10月08日

■剰女(いき遅れ)の特徴■

1:「剰女」とは?

中国語を見ていると、日本だったら差別用語ではないかという言葉に直面することがあります。そのうちの1つが「剰女」です。直訳すると「あまった女」=「いき遅れ」となります。男性に対する「剰男」という言葉もあります。

中国も豊かになるにつれ、結婚についてのハードルが上がってきました。これまでの生活水準を落としたくないなど、様々な条件が付ける人が増えていく。そうした状況は日本と同じでしょう。そうなると結婚難という問題が生じることとなります。

そして、これも世の常でしょうが、同じことをしていても女性のほうが目を引くことが多いようです。そういうわけで、「剰男」よりも「剰女」にばかり注意が集まっています。今回はその「剰女」に関する記事「暴露:1980年代生まれ剰女たちの典型的特徴」(騰訊網)を取り上げます。


Wedding car. / Jakob Montrasio


変わりゆく中国老人社会=子離れ、孫離れしての自立の道―政治学で読む中国

2011年10月07日

■重陽節と老人問題■


■1
.重陽節とは

重陽節とは旧暦の9月9日。今年は新暦10月5日となります。元々中国では奇数を陽の数字としましたが、最も大きい奇数である9は特別な意味をもち、皇帝を指すこともあったそうです。その9が2つ重なる9月9日は、 陽数が最も強い日と見なされました。

「人生万事塞翁が馬」という諺がありますが、最も幸せということはその後に不幸が来ることを意味しております。そのため、推察するに最初は最も良い日だったものが、いつの間にか「凶日」と見なされるようになってしまったという不思議な日なのです。


秋秋的老人與狗 / *嘟嘟嘟*


この日にちなんだ面白い伝説があります。後漢のころ、桓景という男が道士に武芸を習っておりました。ところがある年の9月9日に災いが降りかかるので、家族を連れて高い山に登り、菊花酒を飲んで難を逃れるようにと言われました。

半信半疑ながらも、言われたとおりにした
桓景。夕方に帰宅すると家の家畜が皆死んでおりました。後で道士に聞くと、「家畜が代わりに難を受けた」と言われたそうです。この話が広がり、重陽の時期になると、山に登ったり菊花酒を飲む習わしができました。

この家族を伴って難を逃れる(邪気をはらって長寿を願う)、(健康のために)山へハイキングに行くということなどが後に敬老と結びつけられるようになります。今では重陽節は敬老の日もみなされるようになりました。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきも」の許可を得て転載したものです。

中国批判、日本絶賛はNG?!中国官制メディアの検閲基準―政治学で読む中国

2011年10月06日

■新華網の「90後」紹介■

2011年10月5日、新華網は「中国の「90後」は個性の主張を重視―日本メディア」という記事を掲載しました。日本経済新聞の記事「「90後」は中国を変えるか」の翻訳記事です。

この『日本経済新聞』の記事自体がなかなか面白いもので、中国のおける「80後」(1980年代生まれ)と「90後」(1990年代生まれ)を比較しております。80後は「中国が改革開放政策に力ジを切り、経済成長が軌道に乗った時代に学生生活を送った。消費志向は日本のバブル期そのものだ」と評しています。だから「家も車もブランド品も、みんなが買うから自分も買うという傾向が強い」傾向があるとの意見を紹介しております。

20111005_chinese_girl
*昨年の尖閣事件時にインタビューをした1987年生まれの中国人女性。


一方、90後ですが、上海市内の大学2年生の「グッチ?ブランド品には興味はない」という意見を紹介し、「子供のころから豊かな生活に慣れているため、見えを張ることに関心はない」と分析しています。

ブランドに憧れる時代が過ぎ、自分にあったものを目指すという方向性は確かにあるのではないかと思いますが、あまりに公式的な見解で、ちょっと面白みにかけるように思います。ただ、80後、90後という言葉が広く使われていることからもわかるとおり、2つの世代は異なる特徴を有しているとは言えそうです。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきも」の許可を得て転載したものです。

「天宮一号」と国民生活=国威発揚イベントの影で冷ややかな意見も―政治学で読む中国

2011年10月02日

■「天宮一号」と国民生活■

中国初の有人宇宙ステーション建設のための無人モジュール「天宮一号」が9月29日夜、酒泉衛星発射センターから打上げられました。この件に関する『環球網』の社説「社评:天宫一号带来的高兴和思考」(天宮一号がもたらした喜びと思考)が興味深い内容でした。

『環球網』の記事は、批判の対象として引用することが多いのですが、中には「これは」と思わせてくれる記事もあります。今回の社説はなかなかのものでした。見出しを見た時には「中国の科学技術は新しい段階を迎えた、これから中国は益々発展していく云々」といったいつもの提灯記事かと思ったのですが、全然違う内容だったのです。

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人民網の報道。


この記事が言わんとしているのは、かなり謙虚で、確かに今回の打ち上げの成功で、1つのことを成し遂げたと言えるが、だからといって、今すぐ中国にいる困っている人を救う(あらゆる社会問題を解決する)ということはできないので、これから問題解決に向けて頑張っていかなくてならないということです。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきも」の許可を得て転載したものです。

【上海地下鉄事故】日本の傲慢報道(?)に怒る環球時報読者=平常運転的炎上の図―政治学で読む中国

2011年09月30日

■上海鉄道事故の日本側の報道?■

環球網』に「日媒关注上海地铁追尾事故 称类似事故在日无法想象」(日本メディア、上海地下鉄衝突事故に注目=同様の事故は日本では考えられないと報道)という記事が掲載されています。

同記事が取り上げている日本メディア報道とは、『産経新聞』の「「日本では考えにくい」と驚く日本の鉄道関係者」です。産経新聞の記事は以下のとおりです。

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上海地下鉄追突】「日本では考えにくい」と驚く日本の鉄道関係者

産経新聞、2011年9月27日

高速鉄道の追突事故に続き、今度は地下鉄の追突事故。「日本では考えにくい」。中国からの一報を聞いた日本の鉄道関係者に驚きが広がった。

全9路線で総延長195キロを運行している東京メトロは平成10年までに全線で追突防止の“決め手”とされる自動列車制御装置(ATC)の導入を完了。自動列車停止装置(ATS)よりも進んだ保安装置だ。

前方に電車がいると自動的にブレーキがかかり、安全な車間距離を確保し追突を避ける。しかもATCが故障して運転速度を指示する信号が途絶えた場合にも、東京メトロの電車は緊急停止するようになっている。

日本のある鉄道関係者は「日本の地下鉄で同じような追突事故が起こった記憶はない」といい、「詳しい状況が分からないが、日本では考えにくい事故ではないか。保安装置は付いていなかったのか」と話した。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

権威主義体制の挑戦を受けた民主主義=フランシス・フクヤマが語る中国―政治学で読む中国

2011年09月26日

■フランシス・フクヤマと中国モデル■

9月25日の『読売新聞』の「地球を読む」欄で、フランシス・フクヤマ氏が「中国モデル」についてエッセイを発表していました。大変興味深い内容でしたので、ご紹介します。

同氏は中国モデルには「政治と経済の二つの側面がある」としています。政治面では、権威主義的国家でありながら、他の独裁国家にない次のような制度が取り入れられていることを指摘しております。

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*1992年刊行、『歴史の終わり』


中国モデルの特徴(政治面)

(1)制度化


指導者の任期が10年と定められていることや、党員の昇進は能力主義に基づくこと。党中央政治局内の意思決定は厳密な集団的意思決定体制が取られていること。

(2)民衆に対する融和策

ネットなどから報告された役人の行為があまりにひどい場合には、それなりの処分を行っていること。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

「貧乏になる日本、豊かになる中国」環球網の経済記事―政治学で読む中国

2011年09月24日

■経済関係記事2題■

ニュースって、記事の内容だけではなく、複数の記事をどう配置するかでもメッセージが届けられるのだ、と面白く思ったのでご紹介します。

取り上げるのは環球網に掲載された2本の記事、「日专家撰文称日本中产阶层逐渐崩溃走向贫困」(日本専門家:日本中産層は崩壊と貧困に向かいつつある)と「2011胡润百富榜:上榜百亿富豪达127位 北京最集中」(2011年胡潤百富榜:100億元長者が127人=北京が最多)です。

紙面ではどうだったかわかりませんが、ネットでは上下に並べられていました。


Falling / Yakinik


*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

お金がないと結婚できない!北京市の結婚費用は2400万円ナリ―政治学で読む中国

2011年09月22日

■中国における婚姻費用■

新華網の記事「娶个媳妇到底多少钱? “80后”小夫妻晒结婚账本(嫁をもらうのって結局いくら必要なの?80年代生まれ若者夫婦の結婚帳簿)が面白かったので、ご紹介します。

中国婚博会のアンケート調査(2007年)によると、中国都市部の平均結婚費用は56万元(670万円)とのこと。もっとも広い中国では各地域ごとに大きな違いがあります。中国ネット掲示板では「中国各地の嫁取り費用」という書き込みで、中国主要都市の結婚費用を算出しています。

それによると、北京市の費用はなんと202万8000元(約2430万円)というとんでもない数字となるのだとか。内訳は住宅購入費160万元(約1910万円)、車12万元(約144万円)、住宅内装費15万元(約180万円)、家電8万元(約95万7000円)等となっています。補足しておくと、中国のマンションは買った時点では内装なしのコンクリートの打ちっ放し状態。自分で頼んで内装をしないといけません。


Endless love / Millzero Photography


*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

ロシアと中国に挟まれた日本、戦前同様の危険な道に=中国紙―政治学で読む中国

2011年09月19日

■日本とフィリピンの連携と満州事変■

9月18日は、中国で言う「九一八事変」、すなわち柳条湖(溝)事件が起こった日です。中国では俗に「国恥記念日」とも言われており、例年この日が近づくとテレビでは抗日戦争ドラマが流されるなどの「盛り上がり」を見せています。

20110919_japan_flag
*2005年、反日デモ時のものとされる写真。


ちなみに、この「国恥記念日」ですが、たんに外国(日本)からの侵略を受けたというだけではなく、中国が立ち上がった契機という意味も込められているのでしょう。しかし、中国の近代史を振り返れば、阿片戦争から多くの「侵略」を受けてきたわけで、その意味では無数に「国恥記念日」があってもおかしくありません。つまり、最終的に中国が勝利をする契機として、9月18日が選び取られたと見るべきでしょう。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

中国の欧州支援、その内幕は狐とタヌキの化かし合い的条件闘争だった―政治学で読む中国

2011年09月18日

■ヨーロッパの債務危機と中国2■

債務危機にあえぐヨーロッパは中国に支援を求めました。中国・ヨーロッパ関係というテーマにおける、極めて重大な出来事だと考えているのですが、日本のマスコミはあまり取り上げていないようです。今回はこのテーマについて。
(前回記事:「ヨーロッパの債務危機と中国」政治学に関係するものらしきもの、2011年9月14日)


Euros / Images_of_Money


最大の関心事は、ヨーロッパの支援要請に中国が応じるかどうかです。中国は大量の米国債を保有していますが、米国債の格付けにより資産価値が毀損してしまったではないかとの批判が国内から上がっていました。欧州の国債のリスクは米国以上ですから、さらに強い批判を浴びることになりかねません。とはいえ、すでに欧州と強い結びつきを持つ中国だけに、むげに断るわけにもいかないでしょう。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

「9.11」と米中関係=一時の蜜月と価値観をめぐる争い―政治学で読む中国

2011年09月12日

■アメリカ同時多発テロ10年後の中国の見方■

9月11日には、「9.11から10年」といった特集をいたるところで目にしました。というわけで、今日はアメリカ同時多発テロと中国について取り上げます。

人民網』や『環球網』は特集サイトを開設するほどの力の入れようで、かなりのボリュームです。斜め読みでも全部目を通してから書けばいいのでしょうが、さすがにこれだけあると全部は無理というのが正直なところです。

そこで読んでいて面白い『環球網』をネタにさせていただきます。特集の標題も「『9.11』から10年、事件は世界に何をもたらしたか=国内外の専門家・海外特派員が読み解く『変わったもの』と『”変わらないもの』」という興味を引かれるタイトルです。


WTC 40 / Lil' Mike



■9.11を契機に変化した米中関係

まず当時の世界情勢を少しだけ振り返っておくと、当時のアメリカはブッシュ大統領がトップ。チェイニー副大統領、ラムスフェルド国防長官といった「右派」が外交を 仕切っていました。さらに1999年のNATO軍による中国在ユーゴスラビア大使館誤爆事件、2001年8月に海南島で起きた米偵察機と中国戦闘機の空中衝突などの事件があり、米中関係はかなり悪化していました。

*当記事はブログ「
政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

中国の「赤ちゃん」の今=性別比、障害児、乳児死亡率―政治学で読む中国

2011年09月10日

■中国保険統計3題■

中国新聞網が保健統計に関するニュースを数点掲載していました。9日の中国衛生部定例記者会見で発表された統計を紹介するものですが、今日はこれを取り上げます。

■1:男女比


中国出生人口性别比失衡 养儿防老有直接影响」(バランスを欠いた中国の性別比出産数=「老後のための子育て」に大きな影響)によると、新生児の男女比は1.18対1。女児と比べて男児のほうが2割程度多いことを意味しています。ただ、中国の小学校のクラス集合写真を見ると1.5対1くらいの比率も少なくありません。


孩子 / 大杨


この記事では衛生部による原因分析も紹介しています。それによると1、伝統概念(「男を重んじ、女を軽んじる」や「跡継ぎがないことが最大の親不孝」)。2、農村における社会保障の不十分さ(そのため、息子に親の面倒を見させる)。3、現実問題として社会には男女差別があること。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

体育館で雑魚寝する「保護者」と制服27着を買わせる幼稚園―政治学で読む中国

2011年09月06日

■新学期2題■

中国の学校では2学期制を採用しており、9月から新年度が始まります。今、さまざまな入学関連ニュースが流れていますのでご紹介します。


■新入生の父兄に泊まるところを提供


最初のニュースは、湖北省武漢市・華中師範大学が新入生の父兄に、ただで宿泊場所を提供したというニュース(中国新聞網)。なんのことかよくわからないかもしれませんが、下の写真を見てもらえば一目瞭然です。

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中国新聞網の報道。

体育館にゴザを敷いて、寝てもらう場所を提供したというだけですが、やはり中国、数が違います。これだけの数となると結構壮観です。

*当記事はブログ「
政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

【海底油田流出】「我々は君たちを騙した」発言は捏造か?悪者にされた米企業―政治学で読む中国

2011年09月04日

■海上油田油漏れ封鎖失敗■

今回の記事は7月1日に発表した「中国最大の海上油田で油漏れ事故発生」の続報となります。当時の報道ではたいしたことがないという雰囲気でしたが、2010年のメキシコ湾原油流出事故でもあれだけ苦労したのだから、そんなに簡単に解決するはずがないのではないかとの私見を述べさせていただきました。

あれから2カ月、案の定といいましょうか、いまだに解決できていません。事件をめぐっては、いろいろと興味深いやりとりがありましたのでご紹介します。

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人民網の報道。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

日本の「右翼教科書」採択を気にしすぎるな=中国愛国メディアに異変―政治学で読む中国

2011年09月03日

■「右翼教科書」採択■

来春から使用される教科書の採択が8月31日で終了しました。『環球網』が教科書問題に関する記事を掲載しているのですが、大変興味深い内容でした。

言うまでもないことですが、問題になるのはいつも、「右翼教科書」についてです。今回、問題となっているのは育鵬社と自由社の教科書。「右翼教科書」というと「新しい歴史教科書をつくる会」が発行していた『新しい歴史教科書』が有名ですが、この記事では両者の関係について以下のように記載しております。

20110903_rekishi_kyoukasyo

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

アキノ比大統領、初の訪中=中国官制メディアは「バッシングアンケート」でお出迎え―政治学で読む中国

2011年08月31日

■フィリピン大統領の訪中■

フィリピンのアキノ大統領が8月30日から9月3日までの予定で中国を公式訪問します。アキノ大統領の就任から1年余り、はじめての訪中となります。この訪中について環球網が興味深いアンケートを実施していたのでご紹介します。
(参照:アンケートを受けての記事。「中国网民就阿基诺访华对菲提四大不满 南海问题居首」(中国ネット民、アキノ訪中に際して4つの不満を提出=南シナ海問題がトップに)環球網、2011年8月30日)

100名以上の実業家を引き連れての訪中ということことからもわかるとおり、フィリピン側の目的は中国との経済関係強化です。中国首脳との会談以外にも、中国実業家との会談などがセッテイングされているとのこと。その力の入れようがうかがえます。


Discussing Flight Operations / U.S. Embassy, Manila Philippines

*左:ベニグノ・アキノ大統領。

*当記事はブログ「
政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

「誰が首相になっても日本は変わらない」菅首相退陣に関する中国報道―政治学で読む中国

2011年08月29日

■菅首相退陣表明についての中国の報道■

1週間ぶりの更新になります。この間、何をしていたかというと、久しぶりに中国に行っておりました。帰国後、久しぶりに日本のニュースを見ると、たった1週間でいろいろなことがおこったものだと、情勢の変化の速さを改めて実感させられた次第です。

そんな中、中国でも放送されたいたのが、菅首相の退陣表明です。これについての中国での見方ですが、1年程度で首相がかわる短命内閣が続いていることに言及した記事が大半です。この観点が如何にも中国的でおもしろく思ったので、これについて少し。


Naoto Kan at the 37th G8 Summit in Deauville 052.jpg / Guillaume Paumier


*当記事はブログ「
政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

ご都合主義翻訳と日本叩きコメント=「環球網」の平常運転を読む―政治学で読む中国

2011年08月16日

■「中国ネットユーザー」の意見■

すこし前になりますが、2011年8月3日付環球網に「日媒:中国网民对日本存在复杂观念」(日本メディア:中国ネットユーザー、日本に対する複雑な感情)という記事が掲載されました。今回はこの記事を取り上げます。


■都合の悪い部分が削除された書評翻訳


この記事ですが、『産経新聞』に掲載された『中国人一億人電脳調査―共産党より日本が好き?』の書評を「翻訳」したものです。ただ、これまでも何度か取り上げたことがある中国式「翻訳」で、都合の悪い部分が削除されています。

中国人一億人電脳調査―共産党より日本が好き? (文春新書)
城山 英巳
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*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

「中国の日本バッシング、その理由は日本人の無理解にある」って本当だろうか?―政治学で読む中国

2011年08月14日

■日本バッシングがおこる「ワケ」■

中国人が、“日本バッシング”をするにはワケがある」(『Business Media 誠』、2011年8月10日)という記事が興味深かったので、取り上げます。

中国人である筆者が主張する、その「ワケ」というのは、一言で言ってしまえば、日本が中国の事情を理解していない云々という文化的ギャップです。確かに筆者のいうことには一理あり、日本式を中国でもやり通そうとすれば問題になるのは間違いありません。

記事では2つの例が挙げられています。1つは日系ラーメンチェーン店(味千ラーメン)が、工場で製造された「濃縮加工スープ」を使っていたことが明らかになりパッシングを受けた例。もう1つは24時間働けますかを中国で実践しようとした日本人キャリアウーマンの例です。
(関連記事:「中国メディアの味千ラーメン・バッシングがひどすぎる件=朝日新聞まで加担」KINBRICKS NOW、2011年7月27日)


Ajisen Ramen Toronto / False Positives

*渦中の味千ラーメン。

*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

【イギリス暴動】喜び勇んで仕返しした中国官制メディアの社説―政治学で読む中国

2011年08月11日

■イギリス暴動に対する中国の評価■

環球網』にイギリスの暴動に関する社説「英国人,今后最好别太刻薄」(イギリス人よ、今後はあまり冷酷にならないほうが良いですよ)が掲載されています。大変興味を引かれたので、今日はこれについて少し。

大変風刺の効いた書き方で、言い方は比較的穏やかですが、内容はかなりきついものとなっております。記事の書き出しは、
「今回のイギリスの暴動に対し、中国政府は沈黙を守っている。中国メディアの評論も抑制的だ」
と始まります。おいおい、何が言いたいのかという感じですが、続く文章を見るとだいたいの主張が見当がつきます。
「中国世論は、イギリス世論のやり方を学び、「青年たちの起義(決起)を鎮圧」した英国警察を非難することができた。少なくとも中国政府は英国政府に対し、「抑制的な態度を採る」よう呼びかけることができたはずだ。

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鳳凰網の報道。


*当記事はブログ「政治学に関係するものらしきもの」の許可を得て転載したものです。

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