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記事:高口康太 の記事

中国の面白さを知る方法、安田峰俊『もっとさいはての中国』を読む(高口)

2019年10月14日

安田峰俊『もっとさいはての中国』(小学館新書)を読了。
というか、本作だけではなくて、前作にあたる『さいはての中国』(小学館新書)、今春でた『性と欲望の中国』(文春新書)もご恵投いただいていたのだが、なかなか忙しくて通読できずにいたのを一気に読んだ。


さいはての中国 (小学館新書)
安田 峰俊
小学館
2018-10-03


性と欲望の中国 (文春新書)
安田 峰俊
文藝春秋
2019-05-20



いやはや、面白い。別版元の『性と欲望の中国』も含めて、まるで続きもののような「さいはて」っぷりが味わえる。思いつくままに3冊の舞台、テーマを列挙してみよう。

監視社会化する世界を知るために、『幸福な監視国家・中国』出版のお知らせ

2019年08月09日

新刊『幸福な監視国家・中国』が2019年8月10日に出版されます。

中国の監視社会化、社会信用システム、信用スコアに関する誤解、デマ、誇張がすさまじい勢いで蔓延していることを腹立たしく思っていたところ、神戸大学の梶谷懐教授から共著のお誘いをいただき、出版させていただくことになりました。

さまざまな論点があるのですが、大枠については「はじめに」「おわりに」を公開いたしますので、こちらをご覧いただけましたら(PDF)。

個人的に一番強調したい点は、「監視は権力VS市民の二項対立では捉えられない」という点です。監視社会というと、独裁政権の支配のためのツールのようなイメージをもたれがちですが、それだけではなく、今ではさまざまなビジネスを加速・強化させるツールであり、安心をもたらすツールともなっています。さらに個人情報はひたすら盗られるだけのものではなく、情報を積極的に提供することによって個々人に利益がある、個人情報を守るよりも積極的に提供するほうが利益が大きいという局面も生じています。

「監視社会はすばらしい!」というつもりは毛頭ないのですが、凡百の書が論じているような「ここが危ない、こういうリスクが、あれも不安」という心配だけを煽るような話ではもはや全体像がつかめないのです。多面的な視点から監視社会の現在を知る必要がありますし、そのためには中国という事例は絶好の教科書となっています。ここがもう一つの強調点で、「中国の監視社会は怖い。日本とは別の世界」という理解が広がっていますが、私はおそらく日本も中国と同じ方向に進んでいくと考えています。「中国という別世界の話」を知る本ではなく、日本の近い将来を考えるための本にするつもりで書きました。

ご興味を持った方はぜひ手に取っていただけましたら。


梶谷懐・高口康太『幸福な監視国家・中国』NHK新書、2019年。

表紙

中国は本当に進んだ国なのか?『中国S級B級論』を出版しました

2019年05月23日

私が編著を務めた『中国S級B級論 ―発展途上と最先端が混在する国』が発売されました。


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私の他に中国経済の研究者である伊藤亜聖さん、中国政治ウォッチャーの水彩画さん、アジアITライターの山谷剛史さん、中国アナリストの田中信彦さんという豪華な顔ぶれに寄稿していただきました。

なぜ、こんな奇妙なタイトルの本を作ったのか。その思いは本書の「はじめに」に込めてあります。出版社の許可をいただけたので、以下に掲載いたします。

中国「デジタル・イノベーション」の実力(高口)

2019年02月11日

伊藤亜聖・東京大学准教授との対談が、雑誌『公研』(2019年1月号)に掲載されました。

中国「デジタル・イノベーション」の実力(リンク先はPDF)

・中国テクノロジーの現在地
・中国発イノベーションが生まれた背景~政府主導か民間主導か
・米中対立がもたらす波紋

といった内容について話しています。『公研』の許可をいただき、無料で公開いたしますので、興味を持った方はぜひご一読を。

また、伊藤准教授と一緒に2月14日にイベントを開催します。
「“中国のシリコンバレー”深圳と“世界一のマーケット”義烏 レンズが映したギラギラ中国」
時間 _2月14日 20:00~22:00 (19:30開場)
場所 _ 本屋B&B
東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
入場料 _ ■前売1,500yen + 1 drink
■当日店頭2,000yen + 1 drink
イベントのご予約はこちらから
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昨年、中国を一緒に取材した写真家の塩田亮吾さんのカメラが切り取った中国の現状を切り口として、高口と伊藤准教授が解説するというちょっと毛色が変わったイベントです。活字ベースではついつい見過ごしてしまうような、中国の姿を掘り起こしていきますので、ご興味のある方はぜひお越し下さい。

週刊エコノミストに製造業とECの記事を書きました(高口)

2018年03月11日

週刊エコノミスト2018年3月20日号の特集「爆速イノベーション 中国の技術」にECと製造業に関する記事を寄稿しました。




チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相に独占インタビュー(高口)

2018年02月21日

ニューズウィーク日本語版に寄稿しました。

寄稿しました。チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相に独占インタビュー。

「ウイグル絶望収容所の起源はチベット」センゲ首相インタビュー 2018/02/21
<共産党の過酷な監視と弾圧が続く中、歴史的なジョカン寺院炎上の衝撃はチベット人に衝撃を与えた。ダライ・ラマ引退後の亡命政府を率いるセンゲ首相が語るチベットの現状と展望>


「OPPO」の日本進出を読み解く(高口)

2018年02月08日

WEDGE Infinityに寄稿しました。

5G携帯は中国勢の天下か、「OPPO」の日本進出を読み解く 2018/02/08
ファミコン互換機「小覇王」の遺伝子を持つOPPOが世界4位のメーカーとなり、日本進出を果たしたというストーリーは、この30年あまりの日中電機産業逆転の象徴のようです。


娯楽愛国映画と中国・アフリカ関係、そして山寨王(高口)

2018年01月17日

中国の大ヒット映画『戦狼2』(ウルフ・オブ・ウォー)を切り口に、中国・アフリカ関係の今を描く6ページです。『戦狼2』(ちなみに1を見ていなくてもまったく問題なし)は、「中国共産党の描く世界観、安全保障観」を知るために格好の作品であると同時に、きわめてハイレベルなバカアクション映画です。

ストーリーがきっちりしてないとイヤ!という方には絶対オススメできませんが、B級アクション好きには見逃せない一作かと。冒頭の水中戦から始まり、市街地での戦闘、カーチェイス、ドローンとの戦い、戦車戦、カンフーバトルと盛りだくさん。特に戦車戦はめっちゃよくできているので、戦車道好きな方もぜひ。監督・主演のウージンは元カンフー王者ということもあり、アクションのレベルは折り紙つきです。

また要所に入るギャグもなかなか。東京国際映画祭では日本人観客からもたびたび笑い声が上がっていました。

渾身の記事を書きました、「海外ライターの暗黒面」に陥らないために(高口)

2017年12月13日

ニューズウィーク日本版(2017年12月19日号)の特集「日本を置き去りにする作らない製造業」に寄稿しました。計7ページも担当させていただきました。ありがたや。

スマートフォン業界を題材に「中国製造 メイドインチャイナ」から「中国設計 デザインバイチャイナ」へと転換する最前線を取材しています。メインの取材対象となったウイングテック、アイディアのスマホ設計会社は黒子の存在ということもあり、日本ではあまり知られていませんが、前者は年間6000万台のスマホ製造にたずさわるモンスター企業、後者はスマホの心臓部であるSoCをスマホだけではなく、VR、ドローン、IoTと多分野開発することに積極的な気鋭の企業です。

そして中国は深圳でEMS(電子機器受託製造)企業を営む藤岡淳一さんに大きな枠組みを提示していただきました。


中国ネットの検閲回避策、「音声ファイルによる拡散」が新トレンドに(高口)

2017年12月13日

iRonnaに初めて寄稿しました。なんかすごいタイトルをつけていただいています……。

ネット検閲に1千万人動員 「ノミの心臓」習近平の世論操作 

持ちネタの検閲話で依頼を受けたのですが、せっかくならばと最新事情である「音声による拡散」も軽く盛り込んでいます。 僕自身も最近取材でわざわざメールやチャットではなく、音声を使うことが増えています。

なぜ音声か。

テキスト→検索しやすくてさくさく見つかる
画像に文字埋め込み→昔の主流だったが文字認識ソフトの能力向上でダメに。
動画→配信サイトの自主規制が強力。ファイルサイズがでかくて取り回しが大変。
音声→ファイルサイズが小さいので大量に流通。そのすべてを音声認識して検閲はまだ無理。

というわけで音声がいいんじゃないのということのよう。まあ音声認識も日進月歩なので、ネットを飛び交う全音声ファイルをテキスト化して検閲という攻殻機動隊のような世界も近いのでしょうが。


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中国人オタクの生態とスラングの記録、『中華オタク用語辞典』(高口)

2017年09月27日

在日中国人の八子さんから同人誌『中華オタク用語辞典』を献本頂きました。


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中国経済って今どうなってるの?津上俊哉『「米中経済戦争」の内実を読み解く』(高口)

2017年08月10日

津上俊哉氏の新刊『「米中経済戦争」の内実を読み解く』(PHP新書、2017年)が出版された。

2013年の『中国台頭の終焉』(日経プレミアシリーズ)、2014年の『中国停滞の核心』(文春新書)、2015年の『巨龍の苦闘 中国、GDP世界一位の幻想』(角川新書)に続く新書シリーズ第4弾である。

一連の著作を私は「中国経済、行く年来る年」と呼んでいる。直近1年間の中国経済のホットトピックが簡潔にまとめられた著作として毎年楽しみにしていたためだ。2016年の出版がなく残念に思っていたが、今年復活したのはなんともありがたい話である。

ブログもSNSも取材は禁止、人民日報のコピペだけにしとけ=中国政府の新ウェブメディア規制(高口)

2017年05月06日

2017年5月、中国国家インターネット情報弁公室は「インターネットニュース情報サービス管理規定」改訂版を発表した。「ブログもSNSも取材はあかん、コピペ推奨、ただし人民日報とかだけね」という新たな規定が盛り込まれている。

「中国モバイル決済の発達ぶりにビビる日本人」中国ネットユーザーの反応(高口)

2017年05月05日

先日、人気サイト「市況かぶ全力2階建」の記事「凄い勢いで進む中国のキャッシュレス社会、既に想像の遥か上に到達」がバズりました。中国ではアリペイ、ウィチャットペイなどモバイル電子決済がいかに普及しているかというツイートを集めたまとめです。

このバズりが中国メディアの目にとまり、複数の中国のネットで紹介されています。例えば第一財経の「中国移动支付震惊日本网友 为什么美国也落后那么多?」とかですね。大手ポータルが転載し、バイドゥ
ニュースのトップに上がるなどかなりの注目を集めているよう。というわけで、記事やSNSのコメント欄を適当に眺めて目にとまった中国人の反応をざっくりとご紹介します。

検閲には困ってない?!中国コンテンツ企業の意外な本音(高口)

2017年05月04日

中国コンテンツの検閲問題について、ついついNGワードや細かい規定が話題となりがちなのですが、むしろジャンル規制こそが課題なのかもしれません。

2017年5月2日、「超加速世界!激アツ!!深圳現地レポ」というイベントに登壇させていただきました。しつこく自著『現代中国経営者列伝』を宣伝させていただいたのですが、観客の皆様には石を投げられることもなく、暖かく迎えて頂きました。

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イベント中、中国ゲームの規制が話題に上がりました。「英語の使用が禁止されたため、STARTとはかけずに開始と表示しなければならない」「使ってはいけないNGワードが指定されているが、何が使ってはいけない言葉なのかは政府は公開していない」といった類の話です。

日本人が知らない東京入管の大混雑(高口)

2017年05月02日

東京入国管理局の朝は早い。
朝も早くから、まるで新装開店のパチンコ店のような大行列ができている。

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UPQ問題から考える「信頼」の日本モデルと中国モデル(高口)

2017年04月29日

日本家電ベンチャーのUPQ(アップ・キュー)が販売したディスプレイの「仕様誤表記」問題が話題になっています。すでにさまざまな記事が出ているこの話題に触れるつもりはなかったのですが、今日、ツイッターのタイムラインで以下のようなやりとりを見かけました。


政府に逆らうと「住宅ローンの利子があがる」?ビッグデータで新型監視社会を目指す中国(高口)

2017年04月28日

ここ1、2年、「ビッグデータ」という言葉が話題ですが、じゃあ具体的にビッグデータで何が起こるのか、何ができるのかというのはまだまだよく分からないという人がほとんどじゃないでしょうか。ですが、お隣の中国ではちょっと信じられないような勢いでビッグデータの活用が進んでいます。

国境越えに浪漫を感じるのはなぜだろうか?(高口)

2017年04月19日

先日、『「ポスト爆買い」時代のインバウンド戦略~日本人が知らない外国人観光客の本音~』(扶桑社、2017年)の出版記念の打ち上げに参加させていただいた。

著者の中村正人さんはインバウンド評論家だ。 私もインバウンド関係の記事を何本も書いており、関心を持っているだけに話が弾んだ。例えば、以前にこつこつリサーチしていたのに企画が没になった日本の「ブラック免税店」についても中村さんはブログエントリーとして発表している。

中国メディアが名指しした新宿のブラック免税店を見に行ってみた : ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌


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