• お問い合わせ
  • RSSを購読
  • TwitterでFollow

記事:高口康太 の記事

【雑談】チャイナウォッチャーの3つの切り口とは?閲兵式を題材に(高口)

2015年09月04日

2015年9月3日、中国で抗日戦争勝利70周年記念・世界反ファシズム戦争勝利70周年記念の閲兵式が開催されました。日本のメディアでもかなり大々的に扱われているので、報道を目にした人も多いのではないでしょうか。

それで必ず出てくる問いが、「閲兵式の狙いとは?」というものなのですが、出てくる専門家みなみなが結構違うことを言っていて面白いな~、と。チャイナウォッチャーの論調を知る絶好の試金石かもしれません。

中国の閲兵式、バラエティ番組も禁止の「軍事パレード」仰天舞台裏(高口)

2015年09月03日

ニューズウィーク・ウェブ版に寄稿しました。

バラエティ番組放送禁止令、大気汚染改善のために風呂に入れない学生寮、屋台もレストランも営業中止……といった小ネタ集を枕として、この異例の大閲兵式が何を狙っているのかを分析しています。

ニューズウィーク・ウェブ版では今後連載する予定。よろしくお願いいたします。


急成長続く中国国産“特撮”=ブックレビュー「映画は中国を目指す」(高口)

2015年09月01日

中根研一『映画は中国を目指す』(洋泉社)を読了。

表紙には「いま世界中が狙う中国映画マーケットに、日本映画はどう立ち向かう?!」の文字が。『中国「野人」騒動記』など、中国のUMA(未確認動物)研究で知られる中根さんが、ちょっとビジネス寄りの本を書いているの?と驚きつつ読んでみると、なんと中身は「ウルトラマン@中国」と「中国国産特撮」についてのお話でした。

“楽しく、ポップで、カジュアルな”言論統制=習近平の「ネット世論」殺し(高口)

2015年08月31日

拙著『なぜ、習近平は激怒したのか 人気漫画家が亡命した理由』。2015年9月2日発売です。以下はその概略について。


―――――――――――――
「中国ってそろそろ革命が起きるらしいな。」


これは4年前の飲み会の席で言われた言葉です。今聞くと「ないない」とほとんどの人が速攻で否定すると思うのですが、当時はそれなりのリアリティがありました。というのも2010年から2012年にかけて、いわゆる「アラブの春」が起こり、その波が中国にも波及するのではないかと思われたこと。そして、中国ネット世論が政府を追い詰めていることが大々的に報じられていたためです。

その代表例が、2011年8月4日に放送された「クローズアップ現代」でしょう。

中国プロパガンダ映画が大ヒット、その秘密とは?「動員令」と「興行収入盗み」(高口)

2015年08月30日

抗日戦争映画「百団大戦」を大ヒットさせるよう、中国共産党・中国政府が指示していたことが明らかとなった。興行収入の必達目標を科された映画館チェーンは、別の映画を見た客も「百団大戦」を見たよう偽装工作したとの疑いも持たれている。

2015年9月3日、北京市で抗日戦争勝利70周年記念・世界反ファシズム戦争勝利70周年記念の閲兵式が開催される。その力の入れようはまさに異例というしかない。大気汚染改善のために1万2000以上の工場に一時操業停止を命じたほか、近隣農村には「かまど使用禁止令」まで出されたとの噂もある。2週間前から北京市上空に飛行制限空域が拡大される、80万人の治安ボランティアを動員、閲兵式前後のバラエティ番組放送を禁止……などなど、まさに国をあげての一大事と化している。詳細は別稿に譲るが、「反日」などという小さな目的ではなく、より大きな狙いを持った一大プロジェクトなのだ。

BBCも安倍談話を批判している!→中国メディアの誤訳でした……環球時報の「断章取義」的世界(高口)

2015年08月20日

山形浩生さんのブログエントリー「中国メディアの歪曲」について。

日本は「羊の皮を被ったオオカミ」・・・英メディアが日本政府を批判=中国メディア(サーチナ)によると、安倍談話についてBBCが日本を批判。「羊の皮を被ったオオカミ」だとまで書いているという。

BBCの原文をあたったら「オオカミの皮を被った羊」って書いてあるんですが……


というお話。

で、「だれかその「中国メディア」というのを見て、ホントにこんな捏造内容になってるのか見て欲しい気もする」と書いているので、調べてみました。

お仕事のお知らせ:「天津爆発事故」「戦後70周年」を寄稿しました(高口)

2015年08月14日

星海社のジセダイ総研に「 突然誕生した中国の「戦後」、空虚な器をめぐる日中の論争」「「窓の外には地獄が広がっていた」SNSが伝える天津塘沽爆発事故」と2本の記事を寄稿しました。

20150814_写真_中国_天津爆発_


「 突然誕生した中国の「戦後」、空虚な器をめぐる日中の論争」では、「戦後」という言葉、時代区分が実態を示すというよりも、きわめて政治的に利用されてきたことを取り上げ、中国が近年になって「戦後」平和の体現者として日本を批判するようになったことを書いています。安倍首相もまた日本こそ「戦後」平和を作ってきた一角だと発言しているわけですが、ご本人のタカ派イメージもあり、第三国からは「どっちもどっち」的に見られていることも多いのです。そこで”平和”ではなく、”人権”を外交の柱とする必要性があると提言しました。

「窓の外には地獄が広がっていた」SNSが伝える天津塘沽爆発事故」では12日夜に起きた天津爆発事故について情報をまとめています。

ネットユーザーが現場を撮影した動画、写真が次々と公開されて現地の「地獄絵図」が伝えられている。クレーターのような大穴が空いた事故現場、吹き飛んだ建物、窓ガラスがすべて粉々になったマンション、吹き飛ばされたコンテナ、黒焦げになった1000台もの車、道端に転がる黒焦げの遺体やちぎれた手足などの恐ろしい光景が映し出されている。爆発の規模を考えれば、完全に吹き飛ばされた犠牲者も相当数いるはずだ。13日夜時点で公式に確認された死者数は50人だが、最終的な犠牲者はこれをはるかに上回るものと予想される。



トップページへ

1970年代製造の冷凍肉が流通する中国、ビンテージ肉の謎(高口)

2015年06月25日

中国で70年代の冷凍肉流通 密輸を大規模摘発」というニュースが話題となっています。

実はこれ、「げげっ、そんなのが見つかったの?!びっくり!」というものじゃなくて、前からちょくちょく言われている話なんですよね。本サイトでも2013年に「中国“黒心食品”の新メンバー・ゾンビ鶏足、ベトナム戦争期製造の老兵が中国に登場」という記事で紹介しています。

ベトナムなど東南アジアルートを中心に検疫や関税を逃れた冷凍食品の密輸入が横行しているってのはよく分かる話なんですが、冷凍保存もコストがかかるだろうになんで40年前のビンテージ肉が残っているのかというのが腑に落ちないところ。中国すげぇって話じゃなくて、保存していた国がすげぇ(多分東南アジア)ってことじゃないか、と。まあ黒くなった肉を薬品で洗ってぴかぴかにしているところは中国の技術なんですが。

酒を飲まないウイグル人はイスラム原理主義者、ラマダン直前に嫌がらせビール祭りを開催―中国(高口)

2015年06月24日

新疆ウイグル自治区ホータン地区ニヤ県の農村で、ラマダン直前(18日から)の6月15日に共産主義青年団主催のビール祭りが開催された。その目的は
 

“現代生活によって農村の文化生活を活発にすること、違法な宗教伝播の余地を減らすこと、農村の思想・文化・世論の陣地を占領すること、村の党組織の凝集力を高めることにより、農村に調和と安定をもたらすこと”


とのこと。


以前にも記事「禁酒・禁煙する奴はイスラム原理主義、中国政府が新疆で宣伝活動」で取り上げましたが、ブルカ禁止やヒゲ禁止といった干渉がエスカレートし、禁酒を禁止、ラマダン中のレストラン休業は禁止、雑貨店には必ず酒を置くことなどの規定が追加されるなかで、「みんなの前でビールを飲むことを強制」という新技が追加されたもよう。
 

大ヒットアニメ「ベイマックス」、中国語版・韓国語版では“日本要素”が削除されていた件について(高口)

2015年06月03日

今さらながらベイマックスを見ました。「アナと雪の女王」もそうでしたが、テンポのいいストーリーテリングと凄まじい作り込みの背景に脱帽しました。特に空から街を見下ろすシーンは圧巻じゃないでしょうか。

さて、このベイマックスですが、中国語版(ちなみに中国語タイトルは「超能陸戦隊」という強烈なもの)では、日本要素が大々的に削除されているとのこと。最近仲良くしている中国人風刺漫画家のラージャオに教えてもらいました。

外国人初の中国「労働関係管理師」高橋孝治氏が『ビジネスマンのための中国労働法』を出版

2015年06月02日

高橋孝治さんの著書『ビジネスマンのための中国労働法』が出版されます。書店には6月3日ごろから並ぶほか、4日にはネットショップでも購入できるようになるとのこと。3日には八重洲ブックセンター本店で販売イベントが開催されます。

高橋さんは本サイトにも寄稿してくださっていますが(記事一覧)、他にも中国ビジネスヘッドラインやフリーペーパー『Whenever北京』でも中国法関係の連載を持ったり、はたまた外国人として(多分)初めて中国の国家資格である労働関係管理師を取得するなど積極的な活躍をみせています。

まだ私も入手していないのですが、楽しみにしています。


 

中国ウォッチャー界の「ゆく年くる年」=ブックレビュー・津上俊哉『巨龍の苦闘』(高口)

2015年06月01日

津上俊哉『巨龍の苦闘 中国、GDP世界一位の幻想 』(角川新書、2015年)をご恵投いただきました。

今や日本一のAIIB男としてニュース番組でもひっぱりだことなっている津上さんの新刊です。2013年の『中国台頭の終焉』をヒットさせた津後、2014年の『中国停滞の核心 』、そして今作と年一ペースで新刊を上梓されています。

タイに新幹線を輸出へ 中国との争いに日本が競り勝った理由とは(高口)

2015年05月27日

ジセダイ総研に記事「タイに新幹線を輸出へ 中国との争いに日本が競り勝った理由とは」を寄稿しました。

タイの高速鉄道建設に新幹線の輸出が有力になった喜ばしいニュースについて、ちょっといや~な目線で記事を書いています。
 

「事業線」を2センチ見せたら罰金10万円、中国ゲームショーでコンパニオン規制(高口)

2015年05月20日

中国最大のゲームショー、CHINA JOY。今年も7月30日から上海市で開催されます。コスプレや露出度の高いコンパニオンがゲーム以上の話題となる同展示会ですが、今年は不思議な罰則規定が導入されたとネットで話題になっています。
 

著名ジャーナリストが作り上げた中国の非実在犯罪組織「コクドー」について(高口)

2015年05月16日

一橋文哉『餃子の王将社長射殺事件』を読了。

その第6章に中国の驚くべき犯罪組織「コクドー」についての記述がありました。

・中国に4000万人近くいる「黒孩子」(戸籍のない子どもたち)を救済し、戸籍や仕事を与えてやろうとする地下組織。
・構成員は中国国内に約3000万人、海外を含めると4000万人弱。
・「黒孩子」を留学生や研修生として日本に送り込んだり、日本人と偽装結婚させて戸籍を獲得。
・一度死んだ動物の胎児が人間として生まれ変わる「超生」(国家の割当を超えた命)との観点から何をやっても平気だという考えに。
・中国市場を支配する日本企業を打倒するべく反日活動に従事。 

という内容。

みなさん、「コクドー」については初めて知ったと思いますが、これほどの巨大組織が反日活動をリードしていることに驚かれるのではないでしょうか。そしてもっと驚くべき事実があります。本書で解き明かしている、この「コクドー」という組織ですが、著者の勘違いで実際には存在しないのです。


 

ポストYoutuber時代の新サービス、日中韓のギフト課金型ライブ番組配信サービスをまとめてみた(高口)

2015年05月12日

■日本、中国、韓国のギフト課金型ライブ番組配信サービスの比較について

DeNAのSHOWROOMというサービスをご存知でしょうか。

・アイドルが主な放送者で、無料動画を生配信する。
・基本的な利用は無料だが、視聴者は有料のデジタルギフトをプレゼントすることができる。
・放送者は「**さんありがとう」とレスを返したり、要望に応えたりとリアルタイムの交流が特徴。
・受け取ったデジタルギフトは放送者の収入となる。デジタルギフトの総額に応じて放送者のレベルが上がったり、イベント出演権を獲得するなどのボーナスもある。

といった内容。「ニコニコ生放送」や「Youtuber」と何が違うの?と疑問を持つ人もいるかと思いますが、「録画ではなく生放送」「広告モデルや月額課金モデルではなく、基本無料、ごく一部の太客によるおひねりが収入源」という点が異なります。

それでですね、このギフト課金型ライブ番組配信サービスが日本、中国、韓国で同時に盛り上がりを見せているようなので簡単にまとめてみました。知り合いの中国人がはまっていて気になりだしたんですが、アプリを立ち上げると友達のおしゃべりが聞こえてくる感覚なんでしょうか。ここからポストYoutuber的なビジネスが生まれてくるのか興味津々ですが、おっさんには分からないことだらけなので間違いがあったら優しく教えてください。

事故多発の“問題機”、中国国産旅客機MA60がオーバーラン=設計ミスではとの声も―中国(高口)

2015年05月11日

2015年5月10日、福建省福州市の福州国際空港で、幸福航空のMA60(新舟60)型機が着陸時に滑走路を逸脱する事故が起きた。乗客7人が負傷。事故の影響で空港は5時間あまりにわたり閉鎖され、約80便に遅延などの影響がでた。主翼がねじれ、エンジンが草地にめりこんでいる衝撃的なネットに広がり話題となった。

MA60は中国国産のプロペラ旅客機。事故の多い“問題機”として知られる。中国では2000年に飛行許可を得ているが、米国・欧州の航空当局はいまだに認可していない。MA60の事故だが、最大の惨事となったのは2011年5月の事故。にはインドネシアのカイマナ空港で悪天候時に着陸を試みた際、滑走路手前の海に着水。乗員乗客27人全員が死亡する大事故を起こしている。

禁酒・禁煙する奴はイスラム原理主義、中国政府が新疆で宣伝活動(高口)

2015年05月01日

「禁煙したやつはイスラム原理主義」 AFP通信が新疆ウイグル自治区カシュガル地区ヤルカンド県艾里西湖鎮での、中国政府による宣伝工作を伝えています(RFA中国語版)。

同地では2014年7月28日に大規模な殺傷事件が起きています。中国当局の発表によると、刃物を持った暴徒が派出所や政府庁舎を襲撃、市民37人が殺害された。警察の反撃により暴徒59人が死亡したとのこと。一方、世界ウイグル会議は、ウイグル人が女性のヒジャブ着用摘発に抗議したところ、当局が暴力的に鎮圧した、2000人超が殺害される虐殺だったと主張しています。

「スラムダンク」違法配信のサイトに罰金命令、日本アニメ海賊版裁判で初の勝訴―中国(高口)

2015年04月30日

■中国動画配信業界で初となる日本アニメ版権裁判で勝訴判決■

先日、星海社のジセダイ総研に記事「ネット配信で復活した日本アニメ@中国、突発的政策変更というチャイナリスクで壊滅の危機」を寄稿しました。中国市場における日本アニメの盛衰から近年の正規配信ブーム、そして政府規制まで論点盛りだくさんでお送りしています。

その中で中国企業に正規配信の権利を提供するメリットとしてお金をいただけるだけではなく、中国企業が海賊版を叩いてくれるというお話も書きました。その実例となる話ですので、4月27日付新浪網の報道をざっくりご紹介。

外国人差別でミシュラン寿司店が炎上?!日本には“建て前力”が不足している(高口)

2015年04月29日

ミシュラン2つ星の名店が外国人を差別したという話が話題となっている。


■騒ぎの概要:外国人差別化、それともやむをえない対応か

日刊ゲンダイ|差別? 予約拒否された外国人が憤るミシュラン寿司店の対応

 今月8日、莫氏の秘書(日本人女性)が「水谷」に電話をし、5月12日に4人で訪れたいと伝えたところ、「空いています」との返事だった。ところが、連絡先や氏名を伝えると、「えっ、海外の方ですか?」と聞かれ、日本在住であることを伝えても、「日本人は同行しますか」「調整が必要です」の一点張り。莫氏本人が電話を代わり、4人とも中国人で、しかし自分は来日30年でジャーナリストとして仕事をしていること、今回の食事が莫氏側の招待であること、招待客の1人は日本に留学経験があり、日本の政官界とも仕事をしている社長であることなど、本来なら伝える必要のない個人情報まで明らかにしても、「調整が必要です」とハッキリしない態度だったという。


ページのトップへ