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農業 の記事

上がる穀物と下がる野菜=複雑化する「食品価格高騰」の裏側―北京で考えたこと

2011年04月24日

上がる穀物と下がる野菜・・・食品価格高騰の裏側

3月期のCPI:消費者物価指数が昨年同期比5.4%増と、引き続き物価高となっている中国。先日の記事「バイオエタノールはなぜやめられないのか?食料価格決定権を失いつつある中央政府―北京で考えたこと」では穀物価格が上がっている中、そのコントロールをするのに苦労している政府の様子を書きました。物価高の中で穀物も含めた食品価格はその「悪の根源」かのように言われている中、そのCPIのニュースを読んだ翌日ショックなニュースが出回りました。

Chinese cabbage
Chinesecabbage
*中国の野菜は季節によっては二束三文で売り渡されている。写真は北京新街口。

*当記事はブログ「北京で考えたこと」の許可を得て転載したものです。


【ヒャッハー】これが政府の「思いやり」?トラクターで乱入し小麦畑壊滅―中国河南省

2011年03月28日

河南省洛陽市嵩県九店郷陶庄村の小麦畑。3月16日、17日の2日間で10ヘクタール以上が無残にも掘り返された。畑に残るトラクターの轍は地上げ屋の嫌がらせではない。なんと、「農民に豊かになってほしい」という政府の優しい気持ちなのだという。25日、中国青年報が伝えた


烟草 老勐赶街 Shredded Tobacco Stall - Laomeng Market / avlxyz


百家争鳴?それとも言いっ放しのガス抜き?「両会」代表の三農関連発言まとめ―北京で考えたこと

2011年03月10日

百家争鳴?言いっ放しのガス抜き?両会にみる三農問題の動き

今の北京は「両会」真っ盛り、毎日その日に両会で話された議題がニュースになって駆け巡ります(「両会」とは全国人民代表大会、全国政治協商会議の総称。日本の国会に相当)。国会というには何かが「議論される」という雰囲気はないですが、何か様々な意見が「言い放たれる」感じがするのがこの機会です。

未来に向けての意見具申か、言いっ放しの「ガス抜き」か
はともかく(後者な気もしますが)、セクターを問わず、「両会」出席者は、その圧倒的な人数により多くの「提案」を残していきます。

ここでは、個人的に関心を持っています「三農問題」についての気になる発言をまとめてみました。硬いメモ書き風ですが、良かったらご覧ください。


收采大蒜的农家女 / weichinali


*当記事はブログ「北京で考えたこと」の許可を得て転載したものです。

数字合わせの食料安全保障=内情は深刻な状態に―中国農業コラム

2011年01月07日

質より量!?中国18億ムー耕地を守る「耕地取引」がもたらすものは?


南粤之湛江新农村 / llee_wu


中国において食糧生産は非常に大事とされていて、そのために耕地面積の18億ムー(=約1.2億ヘクタール)堅持は国家目標とされてきております。しかし、その数は達成されているとしても「その中身はどうよ?」というのが1月6日付南方日報紙の記事。数合わせのゲームの中で、実際の食糧生産に結び付く耕地がきちんと維持されているのか、この「耕地取引」とも言うべき実態について、まずは記事の抄訳・要約をご覧ください。
「占补平衡」(耕地の占有はその補填を持ってバランスをとるという意)政策は1ムーの耕地を潰したら、その分1ムーの耕地を新たに造成しなければならないということであるが、これが中国の耕地確保に大きな脅威となっている(過去記事「中国7億人の農民が怯える「新農村建設」=中国各地で農民暴動が頻発する背景とは」参照)

国土部門(訳注:土地使用に関しての管轄機関である国土資源部系統の意)関係者によると、2002年4月に浙江省では「山海協作工程」というのが行われ、杭州や寧波などの経済が発展した地域が耕地増加ノルマを達成するため、発展の遅れた地域のノルマを買うような形で資金を流し、都市部での建設用地を確保するというものであった。このような試みは当時浙江省で多く行われていた。その中で、元々農業に向いた良い土地であった地域が都市建設に用いられ、アルカリ成分の多い土壌で何年も土壌改良しないといけないような土地が「農地」として新たに認定されていった。

公開資料によると、1998年時の全国耕地面積は19.45億ムー、7年後には18.31億ムーに減少し、非農業用途がやり玉に挙げられた。北京師範大学環境学院の趙教授の調査によれば、1997年から2010年までの農業以外の農地占有は2746.5万ムー、海南省の半分くらいの広さにも及ぶと言う。
*当記事はブログ「北京で考えたこと」の許可を得て転載したものです。

誰が中国を汚染しているのか?2年間を費やした大規模調査「全国汚染源センサス公報」―中国農業コラム

2010年12月30日

汚染の犯人は誰か?全国汚染源センサスの結果と農業による面源汚染の深刻さ


Rainbow pollution / gambier20

少し前にはなるのですが、2月10日付けの新聞で、同日にあった食品安全委員会設立のニュースに続き、もう一つ目を引いたのは、環境保護部が発表した「第1回全国汚染源センサス公報」です。

これは2年間をかけて行われた大気、水質汚染に関する調査で、2007年12月31日を基準に、全国の主要な河川や湖沼を対象に主要汚染物質を調べたものです。同センサスには全国汚染全数調査というページももありました。

*当記事は2010年3月2日付ブログ「北京で考えたこと」の許可を得て転載したものです。

「農作業?だるいッス」やる気ゼロ農民急増中?!恐怖の怠け者農法―中国農業コラム

2010年12月27日

ぶっちゃけ「怠け農業」の巻


I bought a new hoe / chidorian

「怠け農業」(意訳:原語は懒田)って自分が言っているわけではないんですよ。中国共産党中央宣伝部主管、新華社が出している、まあいっちゃ権威のある「半月談」という雑誌にあったものです。形式はほとんど湖南省長沙市のある農民へのインタビュー、現代の農家のぶっちゃけトークをご覧ください。

昔と今はだいぶ違うねえ。昔は種まき前に種を水につけて発芽させてから播いていたんだけど、今はやらないねえ。いやー、うっかりしているとテレビ見ているうちに、種まきするのも忘れちゃうんだよぉ。(おいおい!)
*当記事は2010年11月3日付ブログ「北京で考えたこと」の許可を得て転載したものです。

【中国農業コラム】レアアースの次はリン!他国も中国企業も困る資源輸出規制、その真の狙いとは?

2010年12月20日

ついに来た!?中国の化学肥料輸出制限措置-中国国内の視点から

これまでも何度か気にしてきた中国製化学肥料の輸出入に関してですが、2010年11月29日付で発表された国務院関税税則委員会による通知で、2010年12月1日~31日まで尿素、リン酸二アンモニア、リン酸アンモニウムに対して、35%の暫定輸出関税、75%の特別輸出関税をかけることを発表しました。日本のメディアでもこれが事実上の禁輸措置として報道されています(例えばアサヒの記事はこちらから)、基本的には「レアアースの次がキター!」っていう感じの報道の基調なのかと思います。ここでは今回の動きが、中国にとってどういう意味があるのか、中国メディアの報道から考えてみたく思います。


In the farm (Spring onion) / onigiri-kun


12月2日付ChinaDailyによると、中国化学砿業協会(China Chemical Mining Association: CCMA)関係者の話として、110%課されることになった今回の特別関税は、化学肥料の国内供給確保のために来年の化学肥料需要ハイシーズンまで続くであろうと伝えています。

ブログ「北京で考えたこと」の2010年12月3日付記事を、許可を得て転載したものです。

【中国農業コラム】来年の農業政策の行方は?「中央経済工作会議」を読む

2010年12月19日

来年の農業政策の行方は?中国・中央経済工作会議開催


宜蘭-大同-南山部落 / Sanxia Yeh


中国は12月が財政年度の締め、慣習的なお正月は旧暦の春節なのでまだもう少し先(来年は西暦で2月3日が春節)ですが、仕事の締めということで重要な会議などが行われます。

12月3日行われた中央政治局会議では、経済政策がリーマンショック以降の金融緩和策からの転換として日本メディアでも注目されましたが、もう一つの重要な会議がこちら、中央経済工作会議です。来年の経済政策を表すものとして、毎年末の風物詩ですが、これが10-12日まで行われ閉幕しました。

ここではその結果報道からメモ書き的に、「6大任務」のうち2番目として挙げられた、農業・農村に関する点を記しておきます。(以下の訳文では気になった点は赤字、訳者つぶやきは青字で修飾しています)

*当記事はブログ「北京で考えたこと」の許可を得て転載したものです。
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